Jan 08, 2010

円高で国内旅行もいいです

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 肉牛や餌の稲わらの放射性セシウム汚染が広がり、国や自治体の検査や規制のあり方が問われている。消費者の不安の声に応えるため、流通業者や生産者らが独自に検査を強化する動きが相次いでいる。

▼肉・青果物、すり抜け警戒

 大手スーパー「イオン」は、自社のブランド「トップバリュ」で扱う国産黒毛和牛と、東日本の1都10県の国産牛について、順次、全頭検査を始める方針を決めた。仕入れる枝肉の肉片を外部機関に委託して調べる。

 「イトーヨーカ堂」は、取引先の食肉メーカーに水や餌の放射性物質の検査強化を要請。16日から国産牛肉に県単位の産地表示も始めた。「検査をすり抜ける不安がある限り、産地表示を当面継続せざるをえない」という。

 自社で測定機器を導入する動きもある。食品の宅配サービスを行う「大地を守る会」(千葉市)は、「福島と北関東の農家がんばろうセット」の発売を機に、5月から自社に測定器を導入した。入荷する青果物全品目や契約産地から届く肉を生産者ごとに抜き取り検査をしている。今月からはさらに精度の高い機器での検査を始め、秋には放射性物質の種類を特定できる放射能測定装置を導入する。

 生産者側も検査に取り組んでいる。農場管理の認証を行うNPO法人「日本GAP協会」は、5月から有料の検査を始めた。最初に土壌や出荷農産物の精密検査を行い、数値が低い場合は簡易検査に切り替えて週1度、農産物を測定する。福島県の農家を中心に100件を超える申し込みがあった。同協会事務局長の武田泰明さんは「生産者も不安に思っている。農場単位で検査して安全宣言を出せば、風評被害を防げる」と話す。

 米の食味評価を行う「日本穀物検定協会」(東京)は、今月から農畜産物検査の受け入れを開始。これまでに東北や関東の生産者や卸売業者などから約30件の依頼があった。

 放射性物質の測定機器は、精度や測定法に違いがある。精度の高いものは1台2000万円近くし、負担も大きい。

 国や自治体は連日、食品の検査結果を発表している。6月には、厚生労働省が米や牛肉など国民の摂取量が多い食品を可能な限り検査するよう通知。ただ、自治体の判断で実施にはばらつきがある。

 厚労省は「行政の検査は、汚染地域の特定が目的。消費者のニーズに合わせて行う業者の自主検査とは違う。検査のすり抜けを完全に防ぐのは難しいが、長期間食べ続けなければ問題はないと考えられる。継続して流通しないよう監視したい」としている。
行政の対応 識者の見方

 国や自治体の検査や規制のあり方について、専門家の意見を聞いた。

▼品目選定、説明を…全国消費者団体連絡会事務局長・阿南久さん

 検査をすり抜ける可能性が消費者の不安を招いている。誰がどの段階でどう責任を持って検査をしているのか、検査の仕組みをはっきりさせなければいけない。

 人手や機材の限界、コストの面から全食品の検査が難しいのはわかるが、検査品目を選ぶ際の合理的な説明が欲しい。土壌や水などの環境データから汚染度の高い地域を特定して優先度を決めるなど、効率も考えた検査のやり方があるはず。流通過程で検査の有無といった情報がどう引き継がれているのかも気になる。

 行政は、検査や規制値の中身についてわかりやすく情報を伝えてほしい。子を持つ親の不安に応えて保健所単位で説明会を開く、生産者を交えて話すなど、コミュニケーションの場が必要だ。

▼制度の徹底必要…東大名誉教授(食品安全)唐木英明さん

 食品の安全を守るには、食卓に届くまで、危険が入り込む可能性がある様々な段階でチェックする必要がある。牛肉の場合は、餌や水の管理が汚染を広げない第一歩だったが、徹底されなかったのは大きな問題だ。

 ただ、食品が汚染されたとしても、危険を防御する何重ものバリアが用意されている。暫定規制値は、安全を見込んで厳しく設定されている。

 問題のある牛肉が検査で見つかったのは、監視するシステムが最低限機能したと言える。

 すべての食品の検査を行うのは費用や人手などの面からみて、現実的ではない。肉牛であれば、簡易な検査が可能な餌のチェックに力を入れるべきだ。今ある検査や規制の仕組みを徹底して行うことが求められている。

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